「新型コロナウイルス感染症の影響を受ける障がい児者や高齢者、 各種施設や団体などに対する支援の充実についての要望書」を提出

千葉市長  熊谷俊人様

新型コロナウイルス感染症の影響を受ける障がい児者や高齢者、各種施設や団体などに対する支援の充実についての要望書

新型コロナウイルス感染症対策について、日々の迅速なご対応とご尽力に感謝いたします。
5月25日に千葉県の緊急事態宣言が解除され、順次、学校や公共施設の再開、店舗の営業再開、通勤・通学のための交通機関の利用など、多くの市民が普段の生活に戻りつつあります。とはいえ、外出自粛の期間が長かったことにより、市民の多くが心身とも少なからず影響を受けており、回復に時間をかけなければならない状況にあります。

市民ネットワークちばでは、3月から、新型コロナウイルスの影響についてのアンケートを実施しております。当初多かった物資不足や施設の閉鎖などに対する不満は落ち着いてきたものの、現在は、将来の不安へと悩みが変化しており、特に、障がい児者、高齢者などそれぞれの当事者や施設の状況に応じて、個別の支援が必要であることを痛感しています。

緊急事態宣言が解除されても、すぐに状況が元通りになるのは難しいこと、さらに、第2波、第3波によって、再び緊急事態宣言が発出されることも考えられます。宣言が解除されている間の時間を有効につかって、来るべき時のために準備をしていく必要があると考えます。
今後も当事者に寄り添うことを最優先事項とし、柔軟で、臨機応変な対応をしていただきたく、以下について要望いたします。

<障がい児者や高齢者に関わる総合的な施策について>

1 障がい者、高齢者、及び各施設から、マスクやせっけん、手袋、消毒液、フェイスシールドなどが足りない、欲しいとの要望が届いている。特に、地域で活動する任意団体には行政からの支援が十分ではない。例えば、地域の高齢者支援団体では、病院への移動支援をする際、医療機関と同程度のマスクなどが必要だが、苦労しながら何とか個別に調達したとのこと。その一方で、別の団体からは、同じ時期に、同じものが市から二度配られたとの話もあった。衛生用品や医療物資を提供するための窓口を一本化して、支援が必要な個人や団体を登録できるようにし、支給に過不足が生じないようにすること。

2 職務を行う上で「3密」を避けるのが難しい障がい児者や高齢者を対象とした施設職員については、希望者全員がPCR検査を受けられるような体制をつくること。

3 医師など専門家が、障がい児者や高齢者を対象とした施設職員や介助者に、感染予防の研修を行い、施設の動線を整備するなどの予防策を提示し指導すること。また、部屋の大きさと人数、検温、手洗いなどのガイドラインを示し、周知すること。

4 盲ろう者をはじめとした複合障がい者、重度心身障がい児者、医療的ケア児者、在宅高齢者などは、外出自粛生活において、家族のケアが当てにされ、負担が重くなる場面が多く見られた。今回の緊急事態宣言下での状況について、当事者や家族、団体にアンケート調査をしてニーズや課題を把握し、今後必要な支援を行うために活用すること。

5 当事者のみならず、家族、施設、団体のスタッフも心身ともにストレスに晒されていることを理解し、心のケアの専門家を派遣できる体制を整えること。

6 特別定額給付金について、障がいのある人や独居高齢者が確実に受けとれるよう、申請書の書き方などを教えるため市の職員等を派遣する(例 茨城県常総市)などして支援すること。また、障がい者は情報が受け取れないことがあるので、情報格差が生じないようきめ細やかな対応を考えること。

<障がい児者の施策について>

7 小中学校の普通学級に在籍している障がいのある子どもへの情報発信(例 学校での預かりなど)について、特別支援学級に在籍している子どもと同様に漏れなく連絡が行くようにすること。

8 障がい者が利用する支援施設では、在宅ワークや電話での確認が、通常の施設内での支援活動に代わるものとして柔軟に振り替え対応できることを周知すること。障がい者の移動支援については、外出する代わりに室内での介助に代替できることを周知すること。

9 障がい児者が利用する支援施設では、感染拡大防止のため利用者を多く受け入れることを避けている場合がある。その際は利用者数に応じた給付費を減額しないこと。各事業所での収入が減っている実情についても把握し、国への要望をおこなうこと。

10 新型コロナウイルス感染症への対応や支援に関わる政策討議の場には、複合差別解消の視点を持った障がい女性をはじめとする当事者を入れて検討すること。

<高齢者の施策について>

11 高齢者の入所施設やグループホームなどで、インターネットをつかった面会システムの導入を支援すること。

12 要介護や要支援の認定を受けている高齢者のケアプランについて、緊急事態宣言下では、デイサービスの利用や訪問介護の内容を柔軟に変えられるよう、市の介護保険事業課からケアマネージャーにアドバイスすること。

<災害対応について>

13 「新型コロナウイルス等感染症を踏まえた避難所開設運営方針」に従い、台風襲来前に避難所開設訓練をおこなう体制をとること。

14 感染症対策のために、避難所となる施設や避難所運営委員会が揃えるべき物品(例 非接触型体温計)については、市で一括購入できるまで待つのではなく、個別購入にも柔軟に対応すること。

15 避難所での感染拡大防止は極めて難しいため、感染リスクについて市民に説明し、「在宅避難」のよびかけを、今までよりも丁寧におこなうこと。

16 身近なゴミステーションなどに日常的に掲示板を設置するなどして、緊急時にインターネットが使えない家庭などにも情報が迅速に伝わるような工夫をすること。

<こどもや学校の施策について>

17 保育所(園)での緊急事態宣言下での職種の線引きは、保育の必要がある家庭を受け入れるという本来の観点からは矛盾する。福祉施設の職員の子どもが、保育園で預かってもらえないなどの声が届いている。親の職種によって保育の可否の線引きをしないこと。

18 保育の自粛が続き、保護者が辛いと思った場合は「それぞれの園に相談できます」との情報を、市から保護者に伝えること。また、適切に保育を提供し続けることができるよう、保育園に対し、感染拡大防止策などの指針を示すこと。

19 学校では休校の遅れを取り戻そうと、カリキュラム優先で授業を進めようとしないこと。休校中に自主的に取り組んだことを評価するなど、子どもの心のケアを最優先にすること。

20 緊急事態宣言下でも、病気で長期入院をしている子どもが継続的に学習やリハビリに取り組めるよう、インターネットやロボットを利用した支援体制を整備すること。

<文化芸術への支援について>

21 新型コロナウイルスにより深刻な影響を受けた文化芸術分野の振興のため、福岡市のように本市でも、今後活動が期待できる文化芸術関係の新たな試みに対して、支援補助金を設けること。

以上、要望いたします。

2020年5月29日
市民ネットワークちば 代表 山田京子

新型コロナウイルス感染症の影響を受ける障がい児者や高齢者、各種施設や団体などに対する支援の充実についての要望書(PDF)